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2005年05月05日
進化するネットワーク
| 進化する(ハイパー)ネットワーク | |
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それなりに良いポイントをついている割に、いまいち抽象化しきれていなくて読みづらい文章だなーと思っていたんだけど、それもそのはず。執筆されたのは1994年6月12日だという。当時はインターネット自体がまだ萌芽的なテクノロジーで、アカデミアの世界から一般消費の世界へと開放されつつあった牧歌的な時代だ。今ではネットワーク社会に関する仕組みの研究も進んできて、現象を説明する共通言語も出来つつある。だが、本書はそんな理論体系が出現するまえの全てが手探りの頃に書かれたものだ。こう考えると、構造的に整理しきれていないところも「とにかくすごいことが起きてるんだ」という、インターネット前夜の当時の興奮が伝わってきて味わい深い。
94年6月当時の僕は中学校に入学したばかり。山を20分かけて越えて通学し、部活後は駄菓子屋に寄って帰るという新しい生活サイクルにもようやく慣れて、初の中間試験や文化祭の準備に熱を上げていた頃だ。そんなとき情報通信の世界ではこんな革新的なことが起こっていたなんて想像すらしなかった。それから10年経った今では社会全体にネットが浸透し、自分自身もネットが無ければ生産ゼロで窒息死するというくらいどっぷり浸かっている。
たった、10年でなぜここまでインターネットは進化したのか。本書ではインターネットを含むあらゆる種類のネットワークの現状と将来像を提示しているが、全体を貫く鍵となる概念として「複雑適応系」という言葉を説明しながら最後を締めくくっている。これはとても簡単に説明できる概念ではないものの、あえて一言で言うと「システムが何からできているかではなく、どのようにできているかが重要」なのだという。つまり、システムの構成要素一つ一つではなく、その相互の関係性に注目する考え方のことだ。
最近でこそ、物事の関係性を構造的に解明するネットワーク理論の研究が盛んだが、その原型を94年の時点で見せてくれた会津さんの情報収集力、洞察力は素直に学びたい。
投稿者 shimada : 2005年05月05日 01:43
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